大人になった柏木陽介に”見える”モノ

柏木陽介考えるゲームビジョン

Jリーグチャンピオンシップで期待される 柏木陽介の”ゲームビジョン”とは?

「彼(柏木陽介)のゲームビジョンは面白い。(相手を)背負っても、ワンフリックで背後にボールを送れる。そういった選手は、数少ない。彼みたいな能力は、ほとんど見られない。ボールを受ける前に、すでにたくさんのアイデアを持っている」(ヴァイッド・ハリルホジッチ)

28日(土)のJリーグチャンピオンシップ準決勝、浦和レッズガンバ大阪と対戦する。ハリルホジッチに、“ゲームビジョン”を高く評価された柏木陽介は、この試合のキーマンだ。

【動画】柏木陽介の好調の要因に迫る

だけど、そもそも“ゲームビジョン”って、何だろう?

自分のやりたいプレーが、できるか否か。自己都合の一人称だけで動く選手は、「ゲームビジョンがある選手」とは言わない。典型的な選手は、ロナウジーニョやクリスチャーノ・ロナウドだ。

それとは異なり、他人の意図を加味しながら、自分のプレーを選択できる人。

対談の中で、柏木はこんなことを語っている。

Jリーグ 浦和レッズ 柏木陽介選手の肉体改造とプライベートに迫る

柏木「自分は触れば触るほどリズムが出るし、自分の良さが出てくる。ボールを触れない時間は、自分の中でも辛い」

きよし「確かに。でも、相手はそこを消しにくるときもあるじゃん?」

柏木「逆にそのときは、マンツーでマークがついて、他の人がフリーになるから、より動こうと思う。動けば、絶対スペースができるから。そういうイメージでやってるから、面白くはないけど、チームが勝つためなら、そうしようと思ってプレーしている」

【動画】柏木陽介が語る自分のプレースタイル

相手がこう来たら、こうする。マークに来たら、自分はボールに触れなくなるけど、他の味方を生かそう。そうやって試合の声を聞きながら、プレーを変える駆け引きの力。それが、“ゲームビジョン”だ。

たぶん、柏木は昔から、そういう状況を見通す力を持っていた。頭の回転は、昔からすごく速かった。

だけど最近、変わったことがあるとすれば、そのゲーム状況をわかっていながら、無理矢理にでも自分のやりたいプレー(ボールに触ること)に固執した過去よりも、ちょっと大人になった、ということかもしれない。「面白くはないけど、チームが勝つためなら」と。

円熟した柏木ゲームビジョンは、この試合から何を見抜くのか。彼の動きに、試合の鍵が隠されている。キープレーヤーだ。

【動画】柏木陽介が語る調子乗り世代の話

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サッカーライター
清水 英斗

清水 英斗

1979年12月1日生まれ、岐阜県下呂市出身。プレーヤー目線で試合を切り取るサッカーライター。新著『サッカー観戦力 プロでも見落とすワンランク上の視点』『サッカーは監督で決まる リーダーたちの統率術』。既刊は「サッカーDF&GK練習メニュー100」「居酒屋サッカー論」など。現在も週に1回はボールを蹴っており、海外取材に出かけた際には現地の人たちとサッカーを通じて触れ合うのが最大の楽しみとなっている。

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